ON SUNDAYS

東京本好き。コンシェルジュ

偏った品ぞろえがマニアの心をくすぐる。ホビー、アート、デザイン、同人誌、ミニコミ…
など、何かに特化したおもしろブックストアーをご案内します。

本と芸術を心ゆくまで楽しめる書店の形をした秘密基地

ON SUNDAYS

  ON SUNDAYS   ON SUNDAYS  
第一回目の今回ご紹介させて頂くのは、ワタリウム美術館に併設されたミュージアムショップON SUNDAYSです。青山というおしゃれな立地に個性あふれる三角の建物。時間があれば目的として行かなくとも思わず吸い寄せられるように入店したくなるような外観です。こちらの建物は、一階が個性あふれる文具が揃った雑貨屋さん。二階から四階までが美術館、展示スペース(展示会内容により屋上でも展示することも)、そして地下一階がCAFÉを併設した本屋空間となっております。

美術館では毎回様々な芸術家、アーティストが展示会を行っており、本屋さんでは美術、建築類のラインナップに特化しています。 ON SUNDAYSでのお勧めの楽しみ方は、美術館で芸術鑑賞をした後に地下の本屋さんで自分の好きな本をピックアップ。ホットドックを片手にCAFÉで本を読みながらドリンクを一杯。先日、このコーナーを担当した私も休日にこのコースで心地よい時間を過ごせました。

地下の本屋さんではWATARI‐UMで開催している展示会に合わせ、その展示会の芸術家、アーティストさんの本のラインナップに特化させたり、CAFÉスペースでも展示を行ったり、本屋さんでそのアーティストさんの特徴を活かしたレイアウトを組んだりetc・・・毎回違う形で私たちを楽しませてくれます。アパレルショップのシーズンテーマのように、毎回テーマに沿ったお店の見せ方になり、その都度違った感動をもらえる空間です。

加えてON SUNDAYSでは出版、オリジナル商品も手掛けており、細部までWATARI‐UMの世界観を私たちに提供してくれるのです。今回取材にご協力頂きました、世界中の本からON SUNDAYSの本のバイイングを手掛けている「草野様」からも沢山素敵なお話を頂けたのでご紹介させて頂きます。
  草野様  
 
  「ご来店頂いたお客様に、思いがけない発見や驚きを体験していただければと思っています。美術館の緊張感とはまたちがったリラックスできる雰囲気のなかでお店を楽しんでいただけるよう、特に目的がなくてもふらりとお立ち寄り頂き、カフェでゆっくりされたり本を選んだりスタッフとの会話を楽しんで欲しいと思います。」  
 
 

本の印刷の匂いが好き、印刷の色味、紙質などもこだわりを感じてしまうほど本が大好きという草野様のお言葉に、印刷屋の私としても印刷屋としてとても嬉しい気持ちになりました。そんな草野様の仕事に対する熱意や心遣いに感動し、それだけでもまた来たいと思いました。草野様からは、取材時に開催していた展示会の、寺島 修司さんについてや、写真展を行っていた高橋 恭司さんのお話なども沢山聞く事が出来、より展示を楽しむことが出来ました。

草野様のインタビューからも分かるようにON SUNDAYSの本屋さんにはこだわり抜いて選んだ個性溢れる本が陳列されており、本のレイアウトにも草野様のこだわりが随所に見られました。本棚の陳列は、シリーズ、作者は勿論のこと、本の内容にも意識を向けて、その内容に沿った流れで陳列されており、ON SUNDAYSの本屋さんの本棚のレイアウトにはとてもストーリー性を感じます。

アパレル業出身の私は、まるで洋服屋さんのお店作り、レイアウトのように感じてしまいました。アパレルショップでいうディスプレイ(キャッチ)は、CAFÉの壁の展示。地下に降りて行くとまず、CAFÉスペースの壁の展示に目がいき、階段を降り切ると、導線上にその展示にまつわる本が目に飛び込んできます。これは思わず手に取ってしまいますね。(私も美術館後に美術館で見た寺島 修司さんの《寺山 修司劇場『ノック』》と、CAFÉに展示してあった西島 大介さんの《すべてがちょっと優しい世界》を片手に草野さんのお話を聞いてほっこりした気持ちでCAFÉへ。)芸術に詳しくない私でも世界観に酔い、楽しめました。その他、ON SUNDAYSでしか手に入らないオリジナルアイテムやこだわりが溢れたグッズも沢山取り揃えております。

本や、業界に詳しくなくとも徐々にWATARI‐UMの世界観に魅き寄せられていく感覚で楽めます。本屋さんには、ON SUNDAYSの常連さんが作った作品も商品としてレイアウトされています。

西島 大介さんの「すべてがちょっとずつ優しい日曜日」展   西島 大介さんの「すべてがちょっとずつ優しい日曜日」展   高橋 恭司さんの青山万霊写真館
西島 大介さんの「すべてがちょっとずつ優しい日曜日」展 (2013.8.13~2013.10.27)   高橋 恭司さんの青山万霊写真館(2013.9.7~2013.10.27)のイベントに合わせたレイアウト
世界中の本よりバイイングされた本が並ぶストーリー性のある本棚   世界中の本よりバイイングされた本が並ぶストーリー性のある本棚    
世界中の本よりバイイングされた本が並ぶストーリー性のある本棚

本屋に並ぶオリジナルアイテム達

☆元々ON SUNDAYSのお客さんの作家さんの作品(商品です。)☆   ☆ON SUNDAYSオリジナル商品☆   ☆アピカに別注して作ったON SUNDAYSオリジナルカラーのミニノート☆
☆元々ON SUNDAYSのお客さんの作家さんの作品(商品です。)☆   ☆ON SUNDAYSオリジナル商品☆   ☆アピカに別注して作ったON SUNDAYSオリジナルカラーのミニノート☆

本屋さんに下る途中にあるスペース(こちらでCAFÉのお食事も出来ます)

本屋さんに下る途中にあるスペース   本屋さんに下る途中にあるスペース    

中地下スペースの入り口の芸術家さん達の作品(一部購入可)

中地下スペースの入り口の芸術家さん達の作品   中地下スペースの入り口の芸術家さん達の作品   中地下スペースの入り口の芸術家さん達の作品
こちらの岡本太郎さんの「太陽の塔」のフィギュアは、草野さんも興奮して購入したという破格の値段で販売。

一階の文具屋さん

一階の文具屋さん   一階の文具屋さん   一階の文具屋さん

ON SUNDAYSオリジナル商品ラインナップ

☆ON SUNDAYSスタッフデザインのオリジナル商品☆   ☆ON SUNDAYSスタッフデザインのオリジナル商品☆   ☆アパレルショップとコラボして作った手帳☆
☆ON SUNDAYSスタッフデザインのオリジナル商品☆   ☆アパレルショップとコラボして作った手帳☆
☆インドまで足を運びインドの職人さんとコラボして作った便箋☆   ☆インドまで足を運びインドの職人さんとコラボして作った便箋☆   ☆ポルトガルの印刷屋さんとコラボして作ったレタープレス印刷ノート☆
☆インドまで足を運びインドの職人さんとコラボして作った便箋☆   ☆ポルトガルの印刷屋さんとコラボして作ったレタープレス印刷ノート☆

などなど、様々な形で私達を楽しませてくれるON SUNDAYSのアート感溢れる世界観に私もすっかりやられてしまい、リピーター間違いなしです!!!

 
 

追記

WATARI‐UMについて(WATARI‐UMの世界観をより楽しむ)

以下、参考書籍《夢見る美術館計画 ワタリウム美術館の仕事術》
WATARI‐UMが現在の形で青山に出現したのは1990年9月13日。
スイスの建築家、【マリオ・ポッタ】と語り続けてつくりあげたアートの城である。
始まりは、この美術館の館長を務める和多利 志津子様ご家族が青山に小さなプライベート美術館をつくりたい
というところからはじまった。
1972年、和多利 志津子様が東京・青山の自宅を改装してギャラリーをひらき、日本、海外のアーティストと一緒に
一つ一つの展示会をつくりあげていく。
その後、1980年、アート関係の書籍などを集めたショップ「オン・サンデーズ」をオープン。
WATARI‐UM美術館を作るにあたり、【マリオ・ポッタ】は創設者の思いを建築というフォルムにしたいと細部に妥協を
許さないどこか温かみのあるプライベートな美術館、現在のWATARI‐UMを完成させた。
【マリオ・ポッタ】の建築はシンプルな幾何学をモチーフにしたデザインと、素材の重量感を強調した彫刻作品的な建築
を得意とする。
この時におこした数百点に及ぶデザイン、スケッチは、WATARI‐UMの記念すべき最初の展示会で公開した。
心から世界一の物をつくりたいという館長のこだわりのつまった、アーティストの創作意欲を刺激するつくりである
WATARI‐UM美術館は【マリオ・ポッタ】の作り上げた様々な建物の中でも、代表作の一つになっている。
WATARI‐UMを手掛けた世界の一流建築家とプロジェクトを共にした歳月が現在のWATARI‐UMのコンセプトや
考え方を醸成させる力となったという。それが70回を超える展示会を行った今現在も尚、次々と斬新なプランが出てくる
源になっている。
そしてアーティスト達も、創作意欲を刺激され毎回野心的なプランをぶつけてくるという。
【マリオ・ポッタ】との出逢いで建築の魅力を伝えていきたいとWATARI‐UMでは建築をテーマとした展示会も数々
行っている。
1993年 『カルロ・スカルパ建築展 宇宙を夢見た庭』をはじめ、
2009年 『ルイス・バラガン邸を訪ねる』
2010年 日本の若手建築家のホープ【藤本 壮介】『山のような建築 雲のような建築―建築と東京の未来を
考える2010』
など数多く開催している。

WATARI‐UMの原動力になった人物は数々おられます。(WATRI‐UMの展示会に関わった芸術家達)
そのなかには、
展示会作りのキュレーター
世界が認めるキュレーター【ハラルド・ゼーマン】
アートを社会の中へ投じた【ヤン・フート】→まだ若手のアーティストであった【村上 龍】(今でも交流がある)は、
ヤン・フートが来日する機会を利用して彼に若いアーティスト達の作品を見てもらおうと和多利様が企画した『一日大学』
に参加。
フランスを代表するキュレーター【ジャン=ユベール・マルタン】
この三人のキュレーターにより、WATARI‐UMの展示会の原点であり、この先もブレることのないワタリウム美術館の
根幹を形成している。

過去の展示会も一部をご紹介
【ハラルド・ゼーマン】の手掛けた『ライトシード展』→アーティストの個々の作品に呼吸の場を作り、明日へと伝達する
アートと和多利様は言う。 作品と作品との間とのスピリットを表現した展示会。

・グラフィックアートやストリートアートの先駆者である「アート=ハッピーな感情を与える」と提唱した【キース・へリング】
『キース・へリング」展』(この時WATARI‐UM美術館のキラー通りをはさんで向かいの画廊をキースは使用しており、
画廊の壁にはいまでもキースが描いた壁画が残っているので是非、WATARI‐UMへお越しの際ご覧になってみて下さい。
・日本の代表的アーティスト【草間 彌生】『草間 彌生 Kusama´s Body Festival in 60´s』
・社会問題をテーマに活動する気鋭のアーティスト集団【Chim↑Pom】『ひっくりかえる』

写真展の始まり
・現在のWATARI‐UM美術館での、初の写真展は1992年開催の『福原 信三・福原 路草写真展1913―1941年』
戦前の写真界を牽引した信三と、大胆で前衛的な作品を残した路草の写真展は写真史の中のエアポケットに眼差しを
むけた展示会だったという。
・1996年、【多木 浩二】氏の協力の元、WATARI‐UM美術館と館長のコレクションを中心に「歴史に刻まれない、ごく普通
の日常、ありふれた風景にこそ、写真家がカメラを向けるべき被写体があると・・・。」
といったテーマのもと、十三人のアーティスト、100点余りの作品を多木氏とともに選定して写真展を開催。
その中には、【マン・レイ】のカメラを用いない実験的な作品シリーズ『レイヨグラム』
絵画が先だったのか、それとも写真をもとに絵画がつくられたのか謎に包まれた【ルネ・マグリット】の習作的写真、
【アンデイ・ウォーホル】のスナップ写真、【デイヴィッド・ホックニー】のダイアリー的カラー写真、
【寺山 修司】の演劇と俳句から生まれた異色の写真『犬神家の人びと』
【ロバート・メイプルソープ】のデビュー作、アメリカを描いた【ロバート・フランク】・・・。など
十九世紀末に誕生した「写真」というメディアが時間を経て成熟し、実に多様な手法と表現を持ち、アートの幅を
広げていることを再確認できる展示会になり、その後もポートレイトを中心に「人間賛歌」の精神を持って写真を撮り続け
た、『二十一世紀の人々』で有名な【アウグスト・ザンダー】『アウグスト・サンダー写真展』
【メイプルソープ】『アイラブ・アート』展、など現在まで様々な写真展が開催されている。

思想の展示
1995年 【ダライ・ラマ十四世】の協力の元『こころ・医・チベット』展(ここでは、WATARI‐UMでダライ・ラマ十四世
が講演された)
2002年 『人間のための建築、宇宙のための建築。バック・ミンスター・フラー』

日本美術
日本美術研究の第一人者であり美術を中心に日本文化全般の啓蒙活動に尽力した【倉本 天心】『倉本 天心』

地域と共に
2001年の『サイバー東京ラリー』と題し、五日間にわたり、東京都市の広い範囲にファブリスのアート作品を隠し、
参加者にクイズを出しそのクイズをヒントにそれを探し出すといった、アートをゲーム感覚で地域社会と楽しむ企画や、
子どもたちに向けた様々な企画、(『アート一日幼稚園』『アート一日小学校』、色々な分野で活躍する現役の
クリエイターと一緒に〝本物〟を体験し、将来どのような職業についても創造的にものを制作し、マネジメントできる
小さな苗を育てたいという想いと、日本の伝統的な文化・芸能に親しんでもらいたいと始まった『子どものため
ワークショップ』
)など枠にとらわれない広い範囲での芸術活動を行っている。

時には、番組とコラボレーションしたり(1993年『カルロ・スカルパ建築展』参考)、展示会を開くにあたり様々な
アーティストの魅力を魅き出し、向き合って素晴らしいアーティスト達との信頼関係を現在まで築き続け年間100近くの
関連イベントを開催して、フルスピードで走り続けています。

館長の和多利 志津子様と八十年代の重要なアーティスト達との交友から始まり、現在のWATARI‐UM美術館の
コレクションが広がり構築され続けています。

このように、ここでは紹介しきれないほど様々なアーティストと素晴らしい展示会を開催してきたWATARI‐UM美術館に
ついて、館長の和多利 志津子様は、私達に向け「アートからもらった生きる勇気や抱えきれないほどの感激をお客様
にも受け取って頂けることを願って。」と《夢見る美術館計画 ワタリウム美術館の仕事術》で記しています。

【WATARI‐UM】URL→http://www.watarium.co.jp/
【ON SUNDAYS】URL→http://www.watarium.co.jp/onsundays/html

 
 

 

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